残念なコミュニケーションを、劇的に改善するための処方箋 #1
コミュニケーションというのは、いつの時代にも難しい課題なのであります。
源氏物語の時代から、あまり変化していないのであります。
しかしながら、それなりにコツもあるのであります。
さらに言えば、コミュニケーションの達人と呼ばれるような人は、その時代に合った、ちょっとしたコツをちゃんとアップデートしているのです。
さて、今回は「どうも上手くプレゼンが出来ない」とお嘆きの貴方、「どうも、人に指示を出すのが苦手」という部下との関係性にお困りの貴方、「イマドキの若者の心を掴むのは大変だ。」と新入社員が宇宙人に見えてしまう貴方、さらには「何を言っても無駄だ! 辞めるヤツは、辞めさせてしまえば良い!」と教育、育成に行き詰まりを感じている貴方に必見の内容です。
とても簡単な内容です。な〜んにも難しいことはありません。
まずは、図をご覧ください。 AとB二つの階段状の図形があります。
結論から申し上げると、コミュニケーションでお困りの方に注目してみると、圧倒的にBパターンのコミュニケーションをとる方が多いのです。逆に、コミュニケーションの達人は、圧倒的にAパターンで、話を進めていきます。
「同じような階段にしか、見えないが、、、」と思われましたか?
よくみると、Aは、まず平らな部分からスタートしていますね。さらに、最初の平らな部分は他よりも少し長いくらいに設定している。
ところが、Bはいきなり「登り」の部分から始まります。
もう、お分りでしょうか?
達人は、自分の意見を相手に納得させる際に、まずは「同意、共感、安心」というステップを必ず踏むのです。この部分をスキップして、いきなり「変化、チャレンジ」から始まる階段を目の当たりにすると、ヒトは程度の差こそあれ、躊躇したり、警戒したり、あるいは拒否反応を示すものです。もちろん、そんなことはお構いなく、いきなり目の前に現れた壁を登るヒトもいるでしょう。しかし、そんなヒトに出会わない限り、貴方のコミュニケーションは失敗が続きます。
さらに、登り切った部分にも十分なスペースが確保されている必要があります。そこは、安心できる場所でなければ、ヒトは登り始めた「元の場所」にいとも簡単に戻ってしまいます。
登りきった場所でも「同意、共感、安心」したい、されたいのですね。
プレゼンをする時、部下の教育をする時、相手に何かを売り込むとき、、、全てのコミュニケーションのゴールは「相互理解」です。
貴方と、相手が同じ情報を手入れ、理解し、合意している状態になることが目的です。
特に、プレゼン、教育などの場合には、この階段のメタファーはピッタリ当てはまるケースでしょう。相手の中に、今まで無かった情報を投げかけなければいけませんし、相手に自分の立ち位置まで登ってもらう必要すらあるわけですから。
やはり、最初は平らな部分からスタートするのが肝要です。少し長めにとっても良いでしょう。ヒトは安心したいものですから。それから、ようやく登るパート、チャレンジのパートに入っても遅くはありません。
そして、最後はフラットで十分なスペースを確保し、もう一度安心を分かち合いましょう。後戻りしないように。